ご挨拶
幼いころ、乾燥や湿疹がひどく、サメ肌だった私のために祖母はせっせと漢方薬を煎じて飲ませてくれました。そしてドクダミの葉を摘んでは入浴剤にして、一緒にお風呂に入ったものです。お陰で、いつしか肌のトラブルも改善されました。祖母はいろいろなことを教えてくれました。おしろい花の花びらを爪の先に擦りつけてはマニキュアごっこをしたり、ヘチマで化粧水やボディ用のスポンジを作ったり。思えば、楽しいことや「キレイ」はいつも自然と仲良しだったような気がします。
大人になってから、再び肌のトラブルに悩み続けることになりました。
TVレポーターやラジオDJなどメディアでの仕事をするようになり、毎日が多忙とストレスの極みでした。けれども仕事は楽しく、やり甲斐もあるので、あまりそれと体調不良を関連づけることはしませんでした。その分、あらゆる高級化粧品をわたり歩く日々でした。
あるとき知人が手づくり美肌水をわけてくれました。「始めは物足りないかもしれないけど、ダマされたと思って使ってみて」と。たしかに、今まで高価なクリームを何種類もたっぷり塗っていた私には頼りなく思えました。ところが使い続けるうちに、皮膚本来の元気を取り戻したように変化していったのです。
ちょうど時を同じくして引っ越したのを機に、元々植物が好きだった私は(ささやかですが)園芸を始めました。土や草木や水や太陽…いろいろな「いのち」が季節の中で調和している。私の狂った体内時計も、自然の呼吸とともに和音を奏でるように、心地よいリズムを刻むようになりました。
古来より人間は常に自然からの恵みによって生かされてきました。食べるものはもちろんのこと、住まいや衣服に至まで、すべて自然とは切り離せないものです。だからこそ、世の中が複雑になればなるほど、シンプルで正直なものを見直したいと考えます。
毎日使うせっけんも、そんな想いを込めて、一つ一つ丁寧に手作りしています。どうぞ皆さんも手作りの時間を一緒に楽しみませんか。
うずまき堂・鈴木万由香(島田)